「小さな世界の中で」 

          第五話 「 茨の恋と空の歌景色 」 Love of thorn and song scenery in the sky
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          【それでは、2年C組が 茨の恋と空の歌景色 をお送りします】
          
          
          
          男 「健二君と言ったか。 君には、娘はやらんぞ!」
          
          健二 「お願いです。真理さんと結婚させてください」
          
          男 「お前は、真理の何を知っている!? 出直して来い!!」
          
          

          どうやら、あの男は真理という娘の父らしい
          
          唐突な始まり方だな
          

          
          健二 「もしもし。真理? またダメだったよ
                君のお父さんは厳しいね。      」
          
          真理 「また、お父さんの所行ったの?
               ゴメンね。 頑固な父親で    」
          
          健二 「いいお父さんじゃないか 
                僕は、あんなことじゃ諦めないけどね 」
          
          真理 「実は私ね……」
          
          健二 「どした?」
          
          真理 「…… なんでもない!
               健二も諦めないでね 」
          
          健二 「まかせとけって。
               とりあえず、俺は会社に戻るから」
          
          真理 「頑張ってね。仕事終わったら、健二の家に行ってもいい?」
          
          健二 「ごめん! 今日は、残業しなきゃならないんだよ!
               お父さんの所に寄ってたら、仕事が溜まっちゃって(笑)
               でも、明日なら大丈夫だよ。」
          
          真理 「そっか!じゃ、またね。 
               プツッ! ツーー ツーー ツーー
               
               いつかは、言わないといけないのに。
               ごめんね。健二……           」
          
          
          
          健二は会社へ向かった
          
          真理は、健二を擦れ違うように、家に帰ってきた
          


          真理「明日から入院して、すぐ手術だって。

              ねぇ、お父さん
              私が、死んだら誰が泣くの?」
          
          父 「まず、ワシが泣く。 だがそれ以上に、健二君が泣くだろうな。」
          
          真理「私、助かるのかな……」
          
          父 「助けてやるさ。 ワシの責任だからな。
             健二君の為にも、そして、真理自身の為にも
             真理の手術を失敗させたりやしないさ 」
          
          真理「お父さん…… 
              健二と結婚すること 反対じゃないの?」
          
          父 「反対なんかするもんか。 娘の幸せが一番だからな
             健二君の人間性も、もうわかっておる。
             ただ、手術が成功しないと 
             真理が元気になるまでは、ワシから真理を離せないんだよ。」
          
          真理「……よかった。 健二、とっても心配してたんだよ。
              安心したら、疲れちゃった。。。 。。。         」
          
          
          バタンッ!!
          
          父 「真理!!」
          
          
          真理は、床に倒れこんでいた。
          
          
          ピーポー ピーポー
          
          
          父 「真理!大丈夫か!! 真理!!!
             すぐに、健二君を呼ぶからな     」
          
          真理「……健二は  ……呼ばないで
               …これ以上   ……迷惑かけられない 」
          
          医者「さがってください。すぐ手術を始めます。」
          
          父 「娘は!真理は助かるのか!?」
          
          医者「   大丈夫ですよ   」
          
          
          真理の肺ガンに気付いたのは、半年前
          
          遺伝子的なものが原因だったらしく、若くして発ガンしてしまった。
          
          
          気付いたときには、すでに手遅れで
          
          今までは、抗がん性物質を投与していた。
          
          そして、明日、手術して ガン細胞を摘出しようとした矢先に
          
          真理の体がボロボロになり、ガンに耐え切れず、倒れてしまった。
          
          
          父 「真理は…… 真理は大丈夫なんだろうか。」
          
          
          そして、手術中のライトが消え、中から医者が出てくる
          
          父 「手術は!手術は成功したんですか?」
          
          医者「それが、予想以上にガン細胞が発達していて
              我々の手には、おえないほどでした。」
          
          父 「…… …… つまり、手遅れなのか?」
          
          医者「…… そういうことになります。
              このまま、軽い薬で生きていくなら余命3ヶ月
              副作用のかなり強い薬を投与し続けるならば、余命2年です」
          
          父 「何故だ! 半年前は助かると言ったじゃないか!?」
          
          医者「我々の予想を超える、ガン細胞でした。 
              本当に残念だったと思っています    」
          
          父 「残念だと? 貴様ァ!
             娘をなんだと思っている!? 」
          
          医者「申し訳ありません。」
          
          父「…… …… 真理の目が覚めるまで待ってくれ」
          
          
          その頃
          
          健二「残業で帰れなくなると思ったのに、早く終わったな
              真理に、電話してみるか。

              トゥルルルル  トゥルルルル
              トゥルルルル  トゥルルルル

              あれ?繋がらないな。 取り込み中なのかな    」
          
          
          健二は、そのまま家へと帰るのであった
          まさか、真理が肺ガンであろうとは疑う余地もないのである
          
          
          真理「お父さん。 私……」
          
          父 「言い難いことなんだが
             真理の余命は、あと3ヶ月なんだ」
          
          真理「…… 私、結婚できないね」
          
          父 「強い、抗がん剤を投与したらあと2年は生きられるんだと」
          
          真理「嫌!! それって、副作用も強いんでしょ……」
          
          父 「そうか。それは、真理が決めることだからな
             健二君は、どうする?              」
          
          真理「わからない」
          
          父 「本当にすまない。さっき、ワシが守ってみせると言ったばかりなのにな
             こんな嘘つき父さんを許してくれ。。。                     」
          
          真理「大丈夫。私は、お父さんを嫌いになったりなんかしないから
              ちょっと、健二に電話してもいいかな?             」
          
          父 「あぁ、すまないな。 ワシはトイレにでも行くかな。 」
          
          
          トゥルルルル トゥルルルル
          
          ガチャッ
          
          健二「もしもし」
          
          真理「健二?」
          
          健二「どした?」
          
          真理「私、死ぬんだって」
          
          健二「どしたんだ?何だよ急に」
          
          真理「私、あと3ヶ月しか生きれないんだって」
          
          健二「落ち着いて。 今、どこ?」
          
          真理「聖セントラル病院」
          
          健二「ちょっと待ってて。すぐ、行くから」
          
          
          真理と父と健二の3人が一つの病室に集まっていた
          
          
          健二「真理!何があったんだ?
              あと、3ヶ月ってどうことだ!?」
          
          真理「実は、私 半年前から肺ガンだったんだ
              手術も失敗して、余命3ヶ月になったの  」
          
          父 「健二君、すまない。 このことが、納まってから結婚をして欲しかったんだが」
          
          健二「お父さん、今なんて? 結婚してもいいんですか??」
          
          父 「!?」
          
          健二「不謹慎かもしれないが、真理! 結婚しよう。
              あと、3ヶ月 俺が付きっきりでいてやる!

              会社も休む!有給も全部使う!上司にも言ってみる!なんなら育児休暇だってとる!」
          
          真理「……健二 こんな私と、結婚してくれるの?
              3ヶ月しか生きれないんだよ??      」
          
          
          健二「いいさ、そんなこと関係ない!
              悩んだって、自体は変わらない!
              今を生きよう!! 3ヶ月を満足しよう!!」
          
          真理「……ありがどう゛」
          
          父 「怒らないのか?こんな事実を今まで隠していたんだぞ」
          
          健二「そりゃあ、怒りたいですよ
              でも、怒るのは、3ヶ月後にします。
              今は、笑いましょう! 楽しく過ごしましょう。」
          
          
          真理「じゃあ、私ライブに行きたい!
              鬼束ちひろの武道館ライブ!」
          
          健二「よし、じゃあチケット買ってくる
              ヤフオクならきっと買えるはずだ!」
          
          
          修羅場を予想していた3人の相対の夜は終え
          真理と健二の3ヶ月の新婚生活が待っていた
          
          二人は、本当に幸せに生活をしていた
          
          しかし、幸せそうに見える真理であったが
          残り期間が明確となっている、恐怖からは逃げられないでいた
          
          
          
          そして、余命1ヶ月を切ったとき
          
          健二「お前が、2ヶ月前に言ってたこと覚えてるか?」
          
          真理「なんか言ったっけ??」
          
          健二「鬼束ちひろのライブだよ。 ほらチケット」
          
          真理「手に入ってたの!?」
          
          健二「まぁな。笑  ちょっと値は張ったがな
              明日、俺と真理の最高の思い出を作ろう」
          
          真理「うん!」
          
          
          そして、鬼束ちひろのライブが始まった
          
          鬼束ちひろ「それでは、流星群聞いてください」
          

言葉にならない夜は 貴方が上手に伝えて

絡み付いた 生温いだけの蔦を まぼろしだと伝えて


心を与えて 貴方の手作りでいい

泣く場所が在るのなら 星など見えなくていい


呼ぶ声はいつだって 悲しみに変わるだけ

こんなにも醜い私を こんなにも証明するだけ でも必要として


貴方が触れない私なら 無いのと同じだから


          
          鬼束ちひろ「続いて、眩暈

貴方の腕が、

声が、

背中が、

ここにあって‥

私の乾いた地面を、

雨が打つ。


逃げる事など出来ない‥

貴方はどこまでも、

追って来るって、分かるから‥

貴方の腕が
声が
背中が
ここにあって

貴方の腕が。
声が。
背中が。
ここにあって‥

          
          
          
          健二「ライブよかったな!」
          
          真理「うん!!」
          
          
          そして、1ヶ月がたち 真理は眠るように息を引き取った。
          眠るようにと言っても、ライブに行ったあとは、また入院生活だった。

          真理のお父さんは泣いていた。


          
          健二と真理の思い出は、無くならない
          
          真理は健二の中で生きている。
          
          
          誰にも、伝わらないけど、それでいい。
          
          真理の 腕も 声も 背中も 
          僕の中にある。
          
          だから、真理は無くならない。ここに在るから。
          
          
          気が付けば、茨のような恋だった。
          
          健二は、見上げる。 

          真理と歌った 真理と共感した あの景色
          
          空には、流星群
          
          
          「 ありがとう。 真理  」
          
          
          
          
          
          【2年C組の 茨の恋と空の歌景色 でした】
          
          
          僕は、息を呑んだ。
          
          たかが、劇に感動していたのだ。
          
          釘付けになっていた。
          
          ちなみに、鬼束ちひろは、歌の上手い生徒が歌っていた。
          
          初めて聞いたけど、本当によかった。
          
          
          
          そろそろ、集合場所に向かうかな……
          
          





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